学会概要/会長挨拶/役員一覧
学会概要
■日本協同組合学会とは
日本協同組合学会は1981年4月に設立され、日本学術会議の協力学術研究団体として登録されています。学会の目的は、研究者と実践家の協力によって協同組合運動のあり方について学際的に研究することであります。
■会員
日本協同組合学会には研究者だけでなく、各種協同組合の第一線で活動中の実践家が多数参加しています。
本学会の現在の会員数は約400名、賛助会員46団体です。
■活動内容
・年1回の大会
・年2回の学会機関誌『協同組合研究』刊行
・春季研究大会
・地方支部研究会の開催
・書籍の刊行
・海外協同組合研究機関との研究交流
など
第22期会長挨拶
会長就任にあたって
2025国際協同組合年を控え、学会の国際性をさらに高めるために
第22期会長 杉本 貴志(関西大学商学部)
このたび第22期会長を拝命いたしました。私が本学会の運営に初めて関わったのは、学会による新訳として『レイドロー報告』を刊行することになり、その一部を担当することになった時ですから、1980年代の末、もう35年も前のことです。それ以来、学会誌の編集等を担当して理事会に参加したり、報告やコメントを大会の場でさせていただいたり、さまざまな経験をさせていただきました。今後2年間、その恩返しの場と任務が与えられたものと認識しております。
30年以上の間に、本学会は目覚ましい進歩を遂げました。「まだまだ学会としての体裁が整っていないから、それをひとつひとつちゃんとしていかなければならない」という趣旨のことを、かつて学会運営の場で、ほとんど唯一の若手であった私はよく聞かされたものです。諸先輩方の努力で、そうした問題は克服されていったといえるでしょう。しかしそれでも、本学会は未だ多くの課題に直面していると私は考えます。
日本の協同組合運動は、世界に対して、さまざまな画期的な成果を見せつけてきました。農業協同組合や漁業協同組合と消費者の協同組合が「協同組合間協同」として展開した「産直」の理念は、諸外国で「提携」「CSA」といった形で取り入れられ、人々が「食」の新たなあり方を考えるきっかけとなっています。また生活協同組合による「班」の仕組みは、協同組合における組合員参画型の事業やガバナンスを考える際に必ず参照される先進事例として有名です。しかし、そうした世界的に広がる日本の協同組合の「実践」に対して、「研究」の世界における日本の貢献は、ほとんど知られていないというのが現状でしょう。
協同組合に関する世界的、国際的な研究集会や学術雑誌において、日本の研究者が登場することはめったにありません。他のアジア諸国と比較しても、研究者の国境を越えた活躍という点で日本は非常に遅れているといわざるを得ないのではないでしょうか。
近年さまざまな分野で活躍する若手研究者達の業績を見てみると、理系に限らず文系であっても、ほとんどが国際誌に掲載された英文論文で占められている、という研究者が増えています。世界を相手に活躍する、そういう人たちからすれば、国内の人間だけで成り立っている学会の大会や学会誌など、お話にならない、と言われるかもしれません。協同組合学会が、有望な若手研究者から見向きもされないという状態になってしまわないか、私は深刻な危機感を抱いています。協同組合の実践における大活躍を見て、協同組合を研究対象とすることを考えた人たちに対して、魅力的な研究環境と成果公表の機会を提供し得ているのか、真剣に考える必要があると思うのです。
一朝一夕で解決できる問題ではありませんが、2度目の「国際協同組合年」を目前にして、世界に開かれた協同組合学会づくりに踏み出すことは急務です。翻訳AIの急速な発達や、遠隔地とのオンライン会議システムの普及で、学会誌や大会を国際化することへの障壁が急速に崩れつつあります。ガラパゴス化して滅びる前に与えられた最後のチャンスかもしれません。研究の水準を国際レベルにまで高めるため、日本が誇る協同の運動の成果を世界に発信するため、いったい何ができるのか、何をしなければならないのか、研究者と実践家とで考えることが、本学会22期の使命ではないかと訴えます。
役員名簿(2023年10月~)※2023年11月役割更新
日本協同組合学会第22期 会長・副会長・常任理事
役職 | 氏名・所属 |
会長 | 杉本 貴志(関西大学) |
副会長(総務担当) | 小関 隆志(明治大学) |
副会長(企画・国際担当) | 井上 浩子(神奈川ワーカーズ・コレクティブ連合会) |
副会長(編集・学会賞担当) | 成田 拓未(弘前大学) |
常任理事(総務担当) | 岡田 太(日本大学) |
重頭 ユカリ(農林中金総合研究所) | |
中川 峰郎(全国農業協同組合中央会) | |
常任理事(企画担当) | 副島 久実(摂南大学) |
利根川 德(協同総合研究所) | |
堀井 真理生(福井県中小企業団体中央会) | |
前田 健喜(日本協同組合連携機構) | |
松本 典子(駒澤大学) | |
村上 了太(沖縄国際大学) | |
常任理事(国際担当) | 多木 誠一郎(小樽商科大学) |
常任理事(編集担当) | 板橋 衛(北海道大学) |
上田 晶子(JA共済総合研究所) | |
片上 敏喜(日本大学) | |
三浦 一浩(生協総合研究所) | |
常任理事(学会賞担当) | 仙田 徹志 (京都大学) |
第22期日本協同組合学会編集委員会
役職 | 氏名・所属 |
編集委員長 | 板橋 衛(北海道大学) |
副編集委員長 | 三浦 一浩(生協総合研究所) |
編集委員 | 井形 雅代(東京農業大学) |
伊丹 謙太郎(法政大学) | |
上田 晶子(JA共済総合研究所) | |
片上 敏喜(日本大学) | |
久保田 裕美(日本大学) | |
近本 聡子(愛知学泉大学) | |
走井 洋一(東京家政大学) | |
正木 卓(酪農学園大学) | |
編集担当副会長 | 成田 拓未(弘前大学) |
日本協同組合学会第22期役員一覧
地区 | 氏名・所属 | 役職 | 担当 |
北海道 | 糸山 健介(酪農学園大学) | 理事 | |
小林 国之(北海道大学) | 理事 | ||
多木 誠一郎(小樽商科大学) | 常任理事 | 国際 | |
東北 | 成田 拓未(弘前大学) | 副会長 | 編集・学会賞 |
則藤 孝志(福島大学) | 理事 | ||
冬木 勝仁(東北大学) | 理事 | ||
関東甲信越 | 井上 浩子(神奈川ワーカーズ・コレクティブ連合会) | 副会長 | 企画・国際 |
片上 敏喜(日本大学) | 常任理事 | 編集 | |
川上 裕子(亀田医療大学) | 理事 | ||
久保田 裕美(日本大学) | 理事 | ||
高橋 巌(日本大学) | 理事 | ||
東京 | 上田 晶子(JA共済総合研究所) | 常任理事 | 編集 |
岡田 太(日本大学) | 常任理事 | 総務 | |
河村 浩史(全国漁業協同組合連合会) | 理事 | ||
小関 隆志(明治大学) | 副会長 | 総務 | |
重頭 ユカリ (農林中金総合研究所) | 常任理事 | 総務 | |
高梨子 文恵(東京農業大学) | 理事 | ||
利根川 德(協同総合研究所) | 常任理事 | 企画 | |
中川 峰郎(全国農業協同組合中央会) | 常任理事 | 総務 | |
前田 健喜(日本協同組合連携機構) | 常任理事 | 企画 | |
松本 典子(駒澤大学) | 常任理事 | 企画 | |
三浦 一浩(生協総合研究所) | 常任理事 | 編集 | |
東海北陸 | 安藤 信雄(中部学院大学) | 理事 | |
神田 すみれ(地域と協同の研究センター) | 理事 | ||
堀井 真理生(福井県中小企業団体中央会) | 常任理事 | 企画 | |
近畿 | 加賀美 太記(阪南大学) | 理事 | |
杉本 貴志(関西大学) | 会長 | ||
仙田 徹志 (京都大学) | 常任理事 | 学会賞 | |
副島 久実(摂南大学) | 常任理事 | 企画 | |
中国四国 | 段野 聡子(徳島大学) | 理事 | |
橋本 直史(徳島大学) | 理事 | ||
甫喜本 憲(水産大学校) | 理事 | ||
九州沖縄 | 高畑 明尚(琉球大学) | 理事 | |
渡辺 克司(鹿児島国際大学) | 理事 | ||
会長推薦 | 板橋 衛(北海道大学) | 常任理事 | 編集 |
村上 了太(沖縄国際大学) | 常任理事 | 企画 | |
監事 | 北川 太一 (摂南大学) | 監事 | |
藤井 晶啓(日本協同組合連携機構) | 監事 |